温泉寺茶話

温泉寺の宏観和尚が、日々の出来事や、ちょっとしたお話、法話などを綴っていきます。

謹賀新年(午歳)  2014年1月24日更新

明けましておめでとうございます。

今年も宜しくお願い申し上げます。

おかげさまで、無事に新年を迎えることができました。当たり前のようですが、この「当たり前に」というところが「おめでたい」のであろうと思います。

 

1月17日は「阪神淡路大震災」、3月11日は「東日本大震災」、お盆のころになると「原爆の日」「終戦記念日」というように、いかに「当たり前」であることがありがたいことなのか、その節目ごとに改めて気付かされます。

 

かつて阪神淡路大震災について朝日新聞社から発行された「5000人の鎮魂歌」の中に、お孫さんを亡くされたお爺さんの詩が紹介されていました。

震災の前々日、成人式で実家にお帰りになったお孫さんと食卓を囲みながら詩われたのだそうです。

 

逆縁の  無きしあわせぞ  福寿草

 

満開の桜や深紅の紅葉は、じつに感激の深いものでありますが、庭の片隅で小さく咲く福寿草は、誰からも感動を受けるわけでも、もてはやされるわけでもありません。特別な手入れをされることもなく、じつに静かに、そこに存在すること自体もアピールせずに、時期がくれば咲き、いつの間にか散っております。温泉寺にも3株ありますが、私はその存在を見過ごしていることが多いのです。

 

見過ごされがちな「逆縁の無きしあわせ」を、今年も当たり前のように咲いた福寿草に想いを寄せて詩われたものでありましょう。

もっとも、当たり前のように咲くから、「福寿草」という名がついたのかもしれませんね。それだけ「当たり前」でおれることは有難いことだと、より一層感慨深くなります。

 

いずれにしましても、この俳句の作者のお爺さんは、その2日後にたいへんな悲劇に見舞われたのです。きっと、胸の張り裂けるような思いでおられたことと存じます。

 

逆縁の  無きしあわせぞ  福寿草

 

この17字に、私はたいへんなことを学ばせていただきました。

 

今年も1年宜しくお願い致します。

年頭のご挨拶を賜り、ありがとうございました。

年始受けは青年部の皆さんと、今年新成人の浅野ゆりさんにお手伝いいただきました。

 

  

除夜の鐘(大晦日23時50分より、元旦2時すぎまで、およそ300名の方についていただきました。ご健勝とご多幸をお祈り申し上げます)

新春「百人一首」絵手紙ギャラリー

「四季の会」の皆さま、ありがとうございました。

雪が降るとこんな感じになります。

 


 

平成25年 紅葉ライトアップ  2014年1月21日更新

晩秋の恒例行事「温泉寺周辺紅葉ライトアップ」

 

地元のあらゆる皆様のご支援・ご協力を賜り、おかげさまで大盛況に終わりました。ありがとうございました。

 

様子を写真でご紹介致します。

 

下呂温泉旅館組合様、事業組合様

ご協賛特設足湯「もみじ足湯」

 

 

 

 

境内裏手「楓月庭」のもみじ茶屋

大駐車場付近です。熱燗、甘酒人気です。

お昼は飛騨牛まん、あんまんなどが人気でした。

 

昼間の中庭(大廊下より)

廊下つきあたりには尽庭(裏庭)も御覧いただけます。

 

    書院   秋の押花絵ギャラリー

    「押花アトリエ花遊び」の皆さま

 

土日になると、境内全域に大正琴、三味線、胡弓などの

音色が響きわたりました。

 

昼間の「もみじ足湯」

昼でもけっこう寒いので、大人気でした。

 

奥書院・醫王閣「胡蝶の間」

水明館「掬水荘」が昭和45年に移築され、今でも当時の

面影を残しています。昭和の古き良き大客殿です。

「胡蝶の間」にて、お茶席を設けました。

 

床の間の「山中に暦日無し」は、妙心寺管長様の墨書。

この山中には、大安のような良い日も、また悪い日という

のもまったく無いから、どうぞごゆっくりなさって下さい!

という意味です。

 

お世話下さいました皆さま、本当にありがとうございました。

来年、平成26年は11月8日(土)から23日(日)までの開催予定です。

宜しくお願い申し上げます。

また、下呂温泉へお越しのお客様には、どうぞ気軽にお立ち寄り下さい。

 

 

 

 


 

妙心寺音楽法話「一期一会」公演  2014年1月20日更新

平成25年は11月9日より24日までの16日間、地元の皆さまのご支援をいただいて紅葉ライトアップを開催しました。

この一番良い時季に、念願の妙心寺音楽法話ユニット「一期一会」の皆さんをおよびたてし、公演いただくことが叶いました。ちょうど、先住職の3回忌の供養の意味も込めて、多くの方にご来場いただきました。

妙心寺派のお坊さん5名のグループで、このうち4名の方が公演下さいました。お坊さんらしからぬ(?)音楽技術に加え、お坊さんらしい「心」のお説法を交えて、皆が涙を流しました。その上、このお坊さんたち、全員が40歳のイケメンということで、この点でも来場者の皆さまは感激しておられました。

 

私も初めて公演を聴かせていただきましたが、感激致しました。先住職3回忌に臨席下さった市内のお寺様方も、全員が最後まで聴き入って下さってました。もう一度、温泉寺で公演をお願いしたいと思っています。

一期一会の皆さん、本当にありがとうございました。

 

 

 


 

大本山妙心寺管長猊下講演会  2014年1月19日更新

平成25年10月14日、午前10時30分から正午まで、あっという間に時間の経った講演会でした。

講師は大本山妙心寺(京都市右京区花園)管長であられます河野太通老大師。

お隣のお寺、泰心寺様の新住職晋山式にご臨席下さり、日程調整のため、温泉寺での講演会が叶いました!

 

こんな山奥のお寺で、気軽に講演をしていただけるということで、住職はじめ檀信徒の皆さん一同感激しました。

本当に雑ですが、講演内容を簡単にご紹介致します。

 

一、世の中のいろいろな矛盾を解決するのに一番の得策は、我慢すること。

一、我慢とは、悟りへの6つの徳目「六波羅蜜」の入り口である「忍辱」。

  忍辱(にんにく)〜みんなで辛抱しましょう。

  布施(ふせ)〜みんなで力を合わせましょう。

  持戒(じかい)〜みんなで決まりを守りましょう。

  精進(しょうじん)〜みんなで励みましょう。

  禅定(ぜんじょう)〜みんなで静かな心を保ちましょう。

  智慧(ちえ)〜みんなの心、自分の心を信じましょう。

 

一、六波羅蜜により気づく悟りとは、自分の心の中に「仏」を見出すこと。

一、この場所へ来ている方は皆、今、我慢をしておられる。

  眠くても、私に悪いと思って、我慢して私の話を聞いて下さっている。

一、同時に皆、笑っている。つまり満足している。

一、これは皆様方の心の中の「仏」が笑っているのだ!

一、自分の心の中の「仏」に出会い、その「仏」でもって生き抜いた禅僧、良寛和尚の漢詩「毬子」を紹介します。

 

  袖裡毬子値千金  自誇好手無等匹

  有人若問箇中意  一二三四五六七

 (意訳) 

     よく子供と手毬をついて遊ぶのだが、私にとってこの手毬は千金に値する。

     自分で言うのもおかしいが、私は自分で他の誰よりも、手毬が上手だと思っている。

     もし、誰かが私に、どうすればそんなに上手に手毬ができるのか質問したら、

     迷わずこう答えるだろう。

     一、二、三、四、五、六、七(ひい、ふう、み、よ、いつ、む、なな)と。

     ただこれだけのことだよ。

 

一、さぁ、皆さん「仏」に目覚められたのだから、明るく楽しく生きてまいりましょう!!

 

以上簡単ですが、非常にわかりやすく、楽しい雰囲気でお話下さいました。改めて管長様には感謝申し上げます。貴重な機会に巡り合えて、幸せでした。

 尚、この講演会につきましては檀信徒会「花園会」の皆さまにご高配いただきました。また宿泊接待を水明館様にお世話になりました。衷心より御礼申し上げます。

妙心寺管長・河野太通老大師猊下

 

 


 

今春開校!岐阜県立下呂特別支援学校  2013年4月26日更新

楓月庭「水屋」周辺のワサビ・姫シャガ・シャガの花

ヒメシャガは5月中旬頃まで見ごろです。

今年の春はお彼岸になっても寒さが残り、4月に入っていきなり初夏の日差しが続き、最近はまた小寒い日が続いています。

それでも植物達は上手に気温の変動に対応して、庭が賑やかになってまいりました。本堂裏手に広がる通称「楓月庭」はモミジの新緑が鮮やかに輝き、水屋の水路にはワサビの花の他、ヒメシャガやシャガが咲き始めています。そして毎年5月から6月にかけて目を楽しませてくれる石楠花(シャクナゲ)も咲き始めました。ところが、昨年の夏の灌水不足、追肥不足がたたり、今年はあまりつぼみを持っていません。来年は約80本の石楠花が元気よく咲いてくれるように、この夏は燃えようと思います。

 

ところで、去る4月9日に、岐阜県立下呂特別支援学校が開校しました。昨年度までは、飛騨特別支援学校下呂分校でしたが、新たに小学部・中学部が設立され、高等部と共に下呂特別支援学校となったのです。

 

これまでは私個人的にも温泉寺としましても、特に関わりがあった訳ではありませんが、昨年でしたか、あるイベントにて生徒たちが、自分たちで作った物を販売している姿を見かけました。中には顔見知りの生徒もいたので立ち寄ったところ、販売されている物の精度の高さに驚きました。湯呑や小皿などの陶芸品、エコバッグやハンカチ・小物類など、一つ一つが丁寧に仕上げられていて、幾つか私も求めました。

その後、寺に持ち帰り、役員さん等に紹介させていただきました。とても好評で、とても生徒さんが作ったものとは思えないと、皆が驚きました。ある役員さんが、湯呑などの陶器を見て、それにモミジの葉の模様が入れば、「もみじ寺」温泉寺から支援学校を発信できるとの意見を出され、早速教頭先生に申し出たところ、その念願を叶えて下さったのです。

半年ほど経った頃でしょうか、ある方から支援学校の見学に誘われ、私も出掛けました。まず、教頭先生自らが生徒と共に作陶された湯呑・小皿・そして一輪差しを拝見し、その全てにもみじの葉が直接埋め込んでありました。また、それらの陶器が出来上がるまでの様子を拝見し、生徒さんが本当にひたむきに作業している姿を目にしました。素晴らしい!の一言です。

その後、地元の方の指導による「湯ケ峰太鼓」の練習を見学させていただきました。これもまた素晴らしい!

 

教頭先生曰く

「この子たちは、多少時間がかかるかもしれないが、何でもできるんです!」

 

本当に何でもできる生徒さんたちです。教頭先生自ら生徒を引っ張っていく根気ある指導力と、常に温かい眼差しで生徒に寄り添う先生方の優しさに、一生懸命生徒の皆さんが応えている姿を目の当たりにしました。

 

今年に入ってから、2月のまだ寒い日でしたが、その生徒さん達が温泉寺へ課外授業に来てくれました。本堂で温泉寺の紹介をさせていただき、その後本尊薬師如来へご挨拶のお勤め、そして坐禅・写経まで体験していただきました。普段の坐禅会では私が警策(坐禅中に喝を入れる棒)を持つことはありませんが、この日はやはり教頭先生の計らいで、ほぼ全員が(勿論先生方も・・・)警策を受けて下さいました。何でも挑戦させようとされる熱意が伝わってきました。写経も、それぞれに自分が気に入った言葉を選んで、元気よく書いてくれました。

4月の開校前でしたから、この子たちが高等部の上級生として、きっと素晴らしい下呂特別支援学校を作り上げるだろうと、確信しました。

 

温泉寺は臨済宗という教えを受け継いでいる寺ですが、その根源的な存在である中国の臨済禅師という和尚さんの言葉に「蔭涼」(インリョウ)という言葉があります。

 

「穿鑿(せんさく)して一株の大樹と成さば、天下の人のために蔭涼となり去ること在らん。」

一生懸命学び、経験を積み、一本の大樹となった時、きっとその人は人のために自ら木陰となり、自身が知らず知らずのうちに、暑さの中の涼しさを与える存在になるであろう。

と個人的に解釈しています。

 

開校式で、「誓いの言葉」また「湯ケ峰太鼓」の披露など、はつらつとした姿を見せてくれた生徒の皆さんは、きっと将来「蔭涼」となって、私たちに「暑さの中の涼しさ」というかけがえのないものを与えて下さるだろうと信じています。

坐禅は少し辛かったかな・・・?

先生方へ喝入れ体験(暴力はいけません)

思い思いに写経。みんな熱心です。

      蔭涼 〜臨済録・行録より〜

 

 


 

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